ジャケットのB-15とセットアップで着用するA-11トラウザースは1944年に数ヶ月だけ採用された。使用気温域は-10℃から+10℃のインターメディエイト・ゾーンである。当時はジャケットとトラウザースをそれぞれ別のコントラクターで製造されたケースが多かったが、B-15とA-11は同じコントラクターが製造を務めたことが非常に興味深い。このセットアップの下には電熱線入りのスーツF-3を着用できるよう設計されており、極寒地などかなりの低温条件まで対応できた。フロントの両脚前面には前身モデルのムートン製トラウザースと同じジッパーが設置されており、スライダーを足元の先端まで強く引き下げるとジッパーが開いて素早くトラウザーを脱ぐことが可能になるジッパーを装備している。アイテム自体は勿論であるが、このジッパーのシステムと留め具の画期的な点が、今回製作に踏み切った大きな要因である。