Details of “TYPE MA-1” Vol.001

TEXT: バズリクソンズ企画総括 亀屋康弘(YASUHIRO KAMEYA)

フライトジャケット「MA-1」のディテール解説 Vol.001

 

 

機能性の高さと優れた着心地を誇るフライトジャケット「MA-1」。それは航空機の発展と共に、改良に改良を積み重ね、進化を遂げてきたジャケットである。ディテールひとつひとつに役割があり、任務を遂行するパイロットにとって最高の一着であったことは想像に難くない。ここでは数あるフライトジャケットの中で、究極のフライトジャケットとして君臨し続ける「MA-1」を紹介していく。

 

MA-1初期型(MIL-J-8279) / BUZZ RICKSON’S / No.BR10981

 

 

MA-1の開発は1950年代初めに開始され、1950年代中頃に正式採用された。ベースとなったのはそれまでインターミディエイトゾーン(摂氏-10℃~10℃)で採用されていたB-15シリーズである。B-15シリーズは毛足の長い大きなムートン襟を携えており、そのフォルムはMA-1とは明らかに異なっていた。1947年、米陸軍航空隊(U.S. ARMY AIR FORCES)が解体され、正式に米空軍(U.S. AIR FORCE)とした独立した頃、軍用機はそれまで活躍していたプロペラ機からジェット機へ移り変わった。最大速度1,000km/hを超えての飛行が可能になったため、航空整備の見直しが必要となり、レザー製の薄いヘットギアからハードヘルメットへ移行。しかし、大きな襟がヘルメットに干渉してしまうことから、フライトジャケットの見直しを迫られたことがきっかけとなり、大きなムートン襟からリブニットの襟へ変更され、B-15シリーズのモディファイモデルが誕生したのであった。こうした背景からMA-1はリブニット襟となり、新型フライトジャケットとして登場した。

 

以下、MA-1の代表的なディテールについて解説する。

 

 

アウターシェル

 

外側の素材のこと。ナイロン製でカラーリングは軍規定色のセージグリーン。36本の長繊維を一本の糸にした、ヘビーナイロンツイルという頑強な生地を使用。経70デニール、緯200デニール(デニールは繊維の太さを表す単位で、9,000mで1gの重さがあるものを1デニール)で構成されている。またその生地の密度は、1平方インチ(6.45平方センチ)に縦240本、横80本の糸で織られており、強度と適度な柔軟性のある生地に仕上がっている。

 

MA-1中期型(MILJ-8279D) / BUZZ RICKSON’S / No.BR13291

 

 

ライニング

 

裏側の素材のこと。表地と比較して軽量なナイロンツイルを使用。初期型はアウターシェル、ライニング共にセージグリーンであったが、中期型(MIL-J-8279D)よりライニングカラーはレスキューオレンジに変更され、リバーシブル仕様となった。それは非常時に緊急脱出する際にパラシュート降下し、味方から発見されやすくするための策である。また、それまで背裏に付けられていたラベルはスラッシュポケットの内部へと変更された。1978年にMIL-J-8279Fとして改良されると、その使用目的が変わり、MA-1は地上整備員(グランドクルー)用として支給された。ここで厳密にはフライトジャケットではなくなり、ライニングのカラーもセージグリーンへと戻る。

 

 

フライトジャケット「MA-1」のディテール解説 Vol.002

 

フライトジャケット「MA-1」のディテール解説 Vol.003